バレエアステラス2009 ~海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて~ [バレエ]
バレフェスBプロの前日、文化庁主催の公演にいきました。
「バレエアステラス2009 ~海外で活躍する日本人バレエダンサーを迎えて~」
8/9 新国立劇場 中劇場。
結構チケット取るのに苦労しました。友人は当日券求めて当日朝9時から並んだとか。バレエを愛する人がたくさんいることは、幸せなのですが。
「アステラス」というのはギリシャ語で「スター、星」という意味らしいです。海外の第一線で活躍し、公募で選ばれたダンサー7人と、新国立劇場バレエ研修所生とで行われたガラ形式の公演。
気になっていたダンサーは
岩田守弘さん(ボリショイバレエ団)
彼のことはNHK「プロフェッショナル」で知りました。決して体格に恵まれているとは言えず、ダンサーとしても厳しい年齢にさしかかった苦境の中、今尚バレエ大国ロシアで頑張っている岩田さん。
なぜ彼がロシアで受け入れられているか、分かったような気がしました。
踊ったのは「サタネラ」のパドドゥ。(愛らしい衣装と踊りで好きなPDDです)
彼の踊りは、いかに観客に楽しんでもらうかを常に考えているサービス精神に富んだ、明るく溌剌としたバレエでした。日本人には日本人にしかできないバレエがある!どんな世界にも生きていく道はある!と元気をもらえた気がしました。
岩田守弘 公式ブログ ibashika.exblog.jp/
そしてもうひとり・・・
浅見紘子さん。(ドレスデン国立歌劇場バレエ団)
私は彼女のブログのファンで、この公演のことも彼女のブログで知りました。
浅見紘子「ドレスデン歌劇場バレエでの日々」 ameblo.jp/hiroko-tanz/
彼女はまだ若く、身長も177cm、お顔も小さく手足が長く、日本人離れしたプロポーションの持ち主。全国舞踊コンクール優勝など数々の受賞歴を誇り、間違いなく「選ばれしダンサー」です。
しかし、彼女のブログを読むと、どれほどダンサーが過酷なものかを知ることができます。
ダンサーとして輝ける時間は短く、レッスンは体力的にも精神的にも厳しく、怪我といつも隣り合わせ。だけど舞台ではそんな日常を感じさせない最高のコンディションにもっていかなければならない。バレエはダンサーの厳しい日々に支えられた舞台の時間を、刹那的に共有できるから、心打たれるのかもしれません
浅見さんが踊ったのは「イン・ザ・ミドル・サムホワット・エレヴェイテッド」
フォーサイス振り付け作品。ミニマムなグリーンかかったレオタードにトゥシューズで、スタイルのよさが光ります。電子音楽にのせ、長い手足が鋭く空を舞うごとにただものではないオーラを放ちますコンテンポラリーは見慣れないのですが、かっこいい!男女のやるせない駆け引きを表現しているのかな?と思いますがどなたか解説してくれないかな・・・・。浅見さんの気魄こもった作品でした
そのほかにも本島美和さん「ラ・シルフィード」、伊藤友季子さん&京當侑一籠さん「眠れる森の美女」のパドドゥなど、見所満載の、あっという間の2時間半でした。
お値段もS席5000円ですから、こういう機会がもっと増えれば日本人ダンサーの活躍の場も増えるし、バレエに興味を持つ人が増えていくことでしょう。
バレエの未来に幸あれと
世界バレエフェスティバル Bプロ [バレエ]
生きてて良かった!この感動
ドンキに続いて行ってきました。世界バレエフェス、Bプロ 3日目。
何から書いたらよいのか・・・
なんといってもその凄さは世界のBIG NAMEを一同に見られる幸せ。
シルヴィギエム、ヴィシニョーワ、デュポン、タマラ・ロホ、カレーニョ・・・その名は聞いておりましたが、まだまだバレエ初心者のU-50、初めてお目にかかることができました
19演目、コッペリアやドンキなどの古典の中に、フォーサイスやキリアン、バランシンといった有名振付家の作品がバランスよくちりばめられています。
18時開演で、22時10分終演の長丁場ですが、まったく飽きな~~~い。
詳細プログラムはあちこちで出ていますので、ここでは印象に残った作品を。
「アレクサンダー大王」 ポリーナ・セミオノワ&フリーデマン・フォーゲル
何て若々しく美しいカップル・・・黒髪ポリーナちゃんは水着のような黒い衣装にパレオを巻きつけ、エキゾチック。フリーデマンはその筋肉書いてある?と聞きたくなる彫像のような美しい半裸のお姿で、ポリーナちゃんと情熱的に官能的に、時に切なく踊ります・・・求め合っても求め足りない、愛し合っていても、愛し足りないって雰囲気で、若いっていいな~~
「パリの炎」 ダニール・シムキン&マリア・コチェトワ
やっぱり今夜も釘付けになりました! 彼の超絶ジャンプ、回転技のたびにあちこちで黄色い歓声が!!540ターンというのでしょうか?前回の記事を撤回、彼は跳ぶのもすごいです両足を開いて跳躍すると、200度位足が開いている感じ・・・・錨マークを想像してください・・・というか。しかもどんな大技でも力みなく、愛くるしいお顔でさらっとやってしまうところがにくい~~。ドンキのときのような舞台装置が全くないので、小柄な二人が技のダイナミックさと圧倒的な存在感でとても大きく見えました。
「海賊」 ナターリヤ・オシポワ&レオニード・サラファーノフ
今まで見た海賊のパドドゥの中で一番素敵でした。アリ役はゴリマッチョなイメージだったのですが、サラファーノフは「シムキンだけじゃないよ!」とキレのある正確な技をアピール、ちょっと少年ぽい細マッチョアリ君もあり、と思いましたオシポワはグランジュッテが高くてシャープで優雅。エレガントなロシアコンビに感動しました。
「エスメラルダ」 タマラ・ロホ&フェデリコ・ボネッリ
今回一番見たかったタマラ・ロホ。バランスと回転は神技、と噂にはきいていましたが、この目で拝めて幸せでした10秒くらい立ってたかな~。フェッテ、トリプルどころか4回転が入っていたかも・・・すごすごすぎてよくわからなかったです
dukeさまのおかげであらすじばっちりの「オネーギン」も、情感たっぷりの「ナイト・アンド・エコー」も素晴らしかったのですが、ボキャブラリーが貧弱なので、言葉に尽くせない感動ばかりでした、ということで。
Bプロの最終日には手ぬぐい投げがあったそうです。次回ガラが取れなかったら、Bプロ最終日狙いということにしましょう。前回もらい忘れたうちわはもらって満足。
裏話。
なんと!帰りの駅に向かう途中、真矢みき&西島千博ご夫妻に遭遇!
真矢みき、さりげなく自分のバーキンを西島さんに持ってもらって、幸せそうでした
真夏の夢のような特別な、特別な夜で
回って回って・・・ダニール・シムキン「ドン・キホーテ」 [バレエ]
3年に一度の世界バレエフェスティバル。
オープニングを飾ったのがABT(アメリカン・バレエ・シアター)の新進気鋭のソリスト、ダニールシムキン君の「ドン・キホーテ」です。
7月29日、東京文化会館。
昨年の夏にほとんどドンキおたくになってしまったU-50。「セミオノワ&ウヴァーロフ」「水香&高岸」につづき、今年はバレフェスで公演されると知って、この日を待ちわびていたのでした。
バジル:シムキン、キトリ:コチェトコワ
昨年のビッグカップルの二組より、小柄でフレッシュな印象。シムキン君21歳ですから。実年齢のバジルは本当は彼くらいの年の設定のはず。
シムキン君、白い肌に金髪が映え、舞台に出てくると光が射したよう
シムキン君は跳んで跳んで跳んで・・・・を期待していましたが、回って回って回って・・・・が完璧でした。ピルエットが実にゆっくりで優雅、しかも軸が全くぶれない。彼がくるくる回るたびに会場からほ~~~とため息が漏れます。
そして背中の反りがとにかく綺麗、まあるいカーブを描いています体が、実に柔らかい。
最初はリフトをする腕が不安定なように見えましたがだんだん安定してきて、一幕後半の見せ場、ジャラジャラリフト(?)ではすっかり落ち着いたご様子。
シムキン君の一挙手一投足に黄色い歓声、他の舞台では経験がありません。これから更なるブレイク必至です
酒場のシーンでも回転は完璧。くるくる、ぴたっ、くるくる、ぴたっと決まります。小柄なコチェトコワちゃんがジャンプしてくると軽々と受け止めます。愛らしい妖精のようなおふたり。
ポリーナちゃん&ウヴァ様は、ベテラン、大御所で安心してみていられる舞台でしたが、こちらは何とも微笑ましく、清々しいドンキだったのでした。ビンテージワインとヌーボーワインといったところでしょうか。
そして特筆すべきは、去年ツボにはまった東京バレエ団、平野玲さんのガマーシュ。
平野ガマーシュはマイムが細かくて、面白すぎて、目が離せません。バジルの恋人、キトリに恋するおばかなお金持ち、という役どころ。
潔癖症で召使にいちいち座席を拭かせたり、アンコールでキトリがだめならキトリの友人でも、と最後の最後までちょっかいをだしたり。気になって気になって、シムキン君見るの忘れちゃうではないですか、平野さん
裏話。
バレフェスの楽しみのひとつが観客ウォッチング。豪華な顔ぶれが居ます居ます、客席に。
ホセ・カレーニョ、高岸直樹・・・あら、パリオペのエトワールマチューガニオまで
当然、幕間にサインを求め観客が彼らに殺到します。ガニオファンの友人は最初、手前で係員に無常に「ラストです」と言ってサインを断られたのですが、セカンドトライ。
ガニオはそれを覚えていてくれて「Sorry for waiting」って書いてくれたそう。
優しい~~ガニオったら、公演が終わったらさっさか帰るダンサーの中、最後まで拍手しているし、U-50のハートを一度に鷲掴み。
もちろんサインを求めたのは語るまでもありません
「Bien」(good)と書いてあるのでしょうか・・・?
ちなみにホセ・カレーニョにサインを求めた知人は「Tシャツにボールペンではサインできないから」とお断りされたとか 仕方が無いですよね。公演には油性マジック、必須アイテムです。
休憩の時間に皆様ワイン片手にご談笑。右の白いシャツの彼が、ガニオです。
Special Nightで
にしじまった昼下がり [バレエ]
よさのる→髪の毛が乱れる
ひがしこくばる→宮崎へ行く
という意味だと知った日、(byズームイン朝)、バレエダンサー西島千博さんのダンス&トークショーランチに行ってにしじまってきました。@ニューオータニ鳳凰の間。
今回の企画は「小林かいち」という昭和初期に活躍した絵葉書作家にちなんだものらしい。
小林かいちは竹下夢二ふうの美しいアールデコ調の絵葉書や封筒などを手がけていて、近年遺族の話などから、その経歴が徐々に明らかになったとのこと。
今見ても懐かしい中にも新しさを感じるイラスト。
考えてみれば、昭和初期にこのバランスの女性を描く、って凄いことだと思いました。
さて、ランチはさらっと終わり・・・
友人と「ワインがロゼだけなんて・・・シャンパンの別オーダーでも取りに来ればいいのにねぇ。」などと話していると、会場が暗転してショーのはじまり。
東京シティ・バレエ団上山千奈さんがかいちのイラストをイメージした、着物風の衣装をまとってあらわれます・・・
舞台左側にはかいちのイラストがスクリーン上に映し出され、ピアノとバイオリンの生演奏の美しい調べにのせて千奈さんがうっとりとするようなアラベスク・・・
西島さんが千奈さんへの想いを受け止めてほしいと、切なく踊ります。ラ・シルフィードを思わせるような夢、幻の世界。
次は井上バレエ団島田衣子さんが黒い衣装で現れます。黒いチュールを大胆にあしらったベールを付けてイメージは夜、月の光。
西島さんが井上さんを軽々とリフトし、妖しい世界に我々を誘ってくれます・・・
そのあとは西島さんの軽妙なトークショー
西島さんは落語とのコラボをやったこともあるらしい。バレエと落語?どんな世界なんでしょう・・・
質問コーナーもあり、好きな食べ物は「うどん」だそうです。
好きな踊りは「ドラゴンクエスト」。スターダンサーズバレエ団で公演されていましたね。
西島さんの舞台はみたことがないのですが、くるみ割りの王子様とか、「眠り」の王子様とか、端整なお顔には王子さまがはまりそうですね、やっぱり
一緒にいった友人は「真矢みきの話をきかなくっちゃ!」と鼻息は荒いのですが、根が2人とも上品なので質問もままならず・・・少々消化不良気味
しかし、そんな気持ちも西島王子のお見送り&暖かい握手で解きほぐされたのでした
ちなみに、友人は握手のとき「結婚生活はいかがですか?」ときいたそうです。「おかげさまで」とにっこり笑ってくださり、満足できたとか
小林かいち展は7/11から、ニューオータニ美術館で開催されるそうです。
本当は華麗なジャンプを見たくて(舞台じゃないから無理だけど・・・)